NYC/NYS不動産投資における税金対策と利益最大化の方法

NYC/NYS不動産投資における税金対策と利益最大化の方法

ニューヨーク州(NYS)およびニューヨーク市(NYC)では、不動産投資に関する多くの税金が課されます。これらの税制を理解し、適切な戦略を講じることで、税負担を最小限に抑え、投資の利益を最大化できます。本ガイドでは、固定資産税や譲渡税などの基本的な税金に加え、見落とされがちな税金についても詳しく解説し、節税対策についても説明します。

1. 固定資産税(Property Taxes

ニューヨーク市の固定資産税は、物件の種類によって異なり、以下の4つのクラスに分類されます。

  • クラス1(1~3戸の住宅: 一戸建て、タウンハウスなど)
    税率: 約0.85%(2024年時点)
  • クラス2(4戸以上の集合住宅: 賃貸アパート、コンドミニアム、協同組合など)
    税率: 約12.85%
  • クラス3(公共施設: インフラ関連の不動産)
    税率: 特別評価に基づき変動
  • クラス4(商業用不動産: オフィスビル、小売店舗、ホテルなど)
    税率: 約10.625%

税制優遇措置・減税制度

  • 421-aプログラム: 新築住宅開発向けの固定資産税減免制度
  • J-51プログラム: 住宅改修や修繕を対象とした税控除・減税プログラム
  • その他: 低所得者向け住宅、環境配慮型建築、歴史的建造物の改修に対する減税

課税評価額が過大な場合は、異議申し立てを検討することで税負担を軽減できる可能性があります。


2. 譲渡税(Transfer Taxes

ニューヨーク州の譲渡税

  • $3M未満の物件: 税率 0.4%
  • $3M以上の物件: 税率 0.65%

ニューヨーク市の譲渡税

  • $500K以下の物件: 税率 1.0%
  • $500K超の物件: 税率 1.425%

 節税対策: 1031 Exchange(課税繰り延べ制度) 1031 Exchangeを活用することで、売却益を新たな不動産に再投資し、キャピタルゲイン税の支払いを先延ばしにできます。

 1031 Exchangeの条件

  • 投資用不動産に限定(自宅には適用不可)
  • 売却後45日以内に代替不動産を特定、180日以内に購入完了
  • 「同種(Like-Kind)」の不動産間で取引
  • Qualified Intermediary(QI)を介した取引が必要

 応用戦略

  • リバース1031 Exchange: 先に新しい不動産を購入し、その後売却する方法
  • インプルーブメント1031 Exchange: 交換不動産のリノベーションを活用
  • DST(Delaware Statutory Trust: 小口投資での1031 Exchange利用

3. 抵当記録税(Mortgage Recording Tax

  • $500K未満の住宅ローン: 税率 1.8%
  • $500K以上の住宅ローン(3ユニット以上): 税率 2.8%

 対策

  • 既存の債務を引き継ぐLLCを活用することで、新たな抵当記録税の支払いを回避

4. キャピタルゲイン税(Capital Gains Tax

不動産売却時の利益に課される税金で、保有期間によって異なります。

  • 短期(1年未満の保有): 最大37%(通常の所得税率で課税)
  • 長期(1年以上の保有):
    • 連邦税: 15~20%
    • ニューヨーク州税: 最大8.82%
    • ニューヨーク市税: 3.876%

 節税対策

  • 1031 Exchangeを活用し、税負担を繰り延べ
  • オポチュニティ・ゾーン投資で税優遇を活用

5. 減価償却とコストセグリゲーション(Depreciation & Cost Segregation

不動産は法定耐用年数に基づき減価償却できます。

  • 住宅用不動産: 27.5年
  • 商業用不動産: 39年

メリット: 初年度に大幅な減価償却を計上し、課税所得を削減
デメリット: 将来の減価償却控除が少なくなる可能性があるため、バランスが重要


6. 相続税・贈与税(Estate & Inheritance Tax

  • 連邦相続税(2024年基準)
    $13.61M以上の遺産に最大40%課税($13.61M以下は非課税)
  • ニューヨーク州相続税
    $6.94M以上の遺産に10~16%の相続税が適用

 対策

  • LLC・信託・贈与戦略を活用し、相続税を抑える
  • 生前贈与を活用し、資産の移転を計画的に行う

7. 高額不動産税(Mansion Tax

ニューヨーク州では、価格が$1Mを超える住宅不動産の購入時にMansion Taxが課されます。

物件価格Mansion Tax 税率
$1M ~ $1.99M1.0%
$2M ~ $2.99M1.25%
$3M ~ $4.99M1.5%
$5M ~ $9.99M2.25%
$10M ~ $14.99M3.25%
$15M ~ $19.99M3.5%
$20M ~ $24.99M3.75%
$25M 以上3.9%

 節税対策

  • 物件価格を$1M以下に抑える(現実的には難しい)
  • 法人(LLC)を通じた購入により、構造によっては適用外になる可能性
  • 交渉によって売主が負担するケースもある

8. 商業賃貸税(Commercial Rent Tax - CRT

ニューヨーク市マンハッタン地区(96丁目以南)において、年間賃料が$250,000を超える場合、商業用不動産のテナントに最大6%の税金が課されます。

 対策

  • 小規模事業者向けの控除制度を活用
  • リース契約の交渉で税負担の分担を検討
  • 所有者として自社物件を購入し、テナント賃料を回避

9. 非法人事業税(Unincorporated Business Tax - UBT

個人事業主またはパートナーシップとして不動産投資を行う場合、NYCのUnincorporated Business Tax(UBT) が4% 課される。

 回避策

  • **法人化(LLCまたはS-Corp)**することでUBTの適用を回避

10. NYSフランチャイズ税(New York State Franchise Tax

法人(C-Corp, S-Corp, 一部のLLC)を設立し、不動産を所有・運営する場合、NYS Franchise Tax(事業法人税)が適用される。

 税率

  • 一般的な法人税(6.5%)
  • 不動産関連LLCが一定額の売上を持つ場合も適用される可能性あり

11. NYC事業税(New York City Business Tax

ニューヨーク市内で不動産事業を営む法人には、NYC General Corporation Tax(GCT) が適用され、税率は8.85% となる。

 節税対策

  • 州外のLLCや法人を利用してNYCでの事業税を回避
  • 税務戦略を組むことで控除適用を最大化

12. 賃貸収入に対する所得税(Income Tax on Rental Income

不動産投資で得た賃貸収入は連邦税・州税・市税の対象となる。

  • 連邦税(Federal Income Tax): 10%~37%
  • ニューヨーク州税(NYS Income Tax): 最大8.82%
  • ニューヨーク市税(NYC Income Tax): 最大3.876%

 節税対策

  • 減価償却を活用し、課税所得を圧縮
  • 1031 Exchangeにより課税繰り延べ
  • コストセグリゲーションを活用
  • 短期賃貸(Airbnb等、NYCではAirbnbは規制が厳しく難しい。)と長期賃貸で異なる税扱いを理解

13. FIRPTA(外国人不動産投資家向け税)

·  FIRPTAは外国人が米国の不動産を売却する際に適用される税法で、売却価格の10~15%が源泉徴収される。

·  売却価格が$300,000以下で、買主が主たる住居として使用する場合は免除される可能性がある。

·  源泉徴収額は確定申告で調整でき、過払い分は還付可能。

·  売主はITIN(納税者番号)を取得し、事前に減額申請や税務戦略を立てることが重要

·  還付には時間がかかるため、早めの準備が必須。

·  買主やエスクロー会社にも源泉徴収の義務があり、手続きを怠ると罰則が発生する可能性がある。

·  不動産売却を検討している外国人投資家は、必ず税務専門家と相談し、最適な税務対策を立てることが必要。

 回避策

  • 法人を通じた投資(米国内法人を利用)
  • FIRPTA免除申請(米国に継続的な投資がある場合)


投資や取引の際には、税理士や不動産専門家に相談し、最適な節税戦略を構築することが不可欠です。

"Libret Real Estate" リブレ不動産はマンハッタンをを拠点に、商業物件/店舗、オフィス、
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